ふくい総合法律事務所 所長ブログ

このブログは、福井県福井市にある法律事務所の所長弁護士である小前田が日々の業務や勉強の中で得た知識や経験をシェアするためのものです。

一般民事系の法律事務所の生産性を測る数字①

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10年くらい法律事務所を経営していると、

うちのようないわゆる一般民事系の法律事務所の生産性を測る数字としては下記のような数字が大事だと考えています。

 

 ①問い合わせ数

  →事務所に電話やメールで問い合わせがあった件数

 ②相談件数(相談率)

  →①のうち、弁護士が法律相談を行った件数

 ③受任件数(受任率)

  →②のうち、弁護士が受任を行った件数

 ④1事件あたり平均単価

  →③の1事件あたりの平均の弁護士報酬(単価)

 

こういったものを、分野(交通事故、債務整理、離婚、相続等)ごとに見ていくことが大事になります。

 

そのうえで、数字の悪い部分があれば、その原因などを考えて、対策を取っていく必要があります。

 

こうした改善を行うためには、まずは事務所で、上記の数字を取って、集計していく必要があります。

 

 

以下で解説をしていきます。

 

どんな商売でも

『売上-経費=利益』

がなりたつので、

生産性を良くしていこうとすると、売上をあげるか、経費を下げるかしか方法はないことになります。

 

法律事務所の経営においても経費は抑えていくのが基本で、ここの定期的な見直しは必須になります。

ただし、法律事務所の経費は多くの部分が固定費になるので(あまり変動費は多くない)、ある程度仕組みが出来てくると、経費を削るという方法には限界が出てくるため、売上を上げるということでしか生産性を上げていくことはできなくなります。

 

一般民事系の法律事務所の場合、さきほどの数字

 ①問い合わせ数

 ②相談件数(相談率)

 ③受任件数(受任率)

 ④1事件あたり平均単価

 

のうち

『売上=③受任件数✕④1事件あたり平均単価』

が成り立ちます。

 

単純にいうと、③受任件数を増やすか、④1事件あたり平均単価を上げるか、どちらかしか生産性を上げる方法はないことになります。

 

ただし、

①の問い合わせがきたものを全て相談するわけではない

→利益相反があったり、弁護士に相談することが適当ではない案件であったり等

 

②で相談したものを全て受任するわけではない

→相談の中には、相談だけで解決することや、受任すべきでない事件がある等

 

 

そのため、単純に、③の受任件数だけを増やすということはできないのです。

受任率は一定以上にはあげるということはできませんので、①の問い合わせや、②の相談件数を増やす取り組みもしていかなければ、③の受任件数も増えていかないということになります。

 

よって、うえの4つの数字をそれぞれよくしていく必要があります。

 

 

うちの事務所の場合、

だいたいですが全体として問い合わせがあった場合に、弁護士の相談までいくのは60~70%(相談率)、相談を受けた結果受任するのが30~40%(受任率)になります。

 

事務所でこうした数字を取るようにしていけば、ある程度の売上の予測などもできることになります。

 

例えば、相談率が70%、受任率が40%、1事件あたり平均単価が30万円の事務所の場合に、問い合わせが100件あった場合、売上の予測は以下のようになります。

 

① 問い合わせが100件

② 相談率が70%とすると、相談件数は70件(100件✕70%)

③ 受任率が40%とすると、受任件数は28件(28件✕40%)

④ 1事件あたり平均単価が30万円だとすると、

 予測売上は840万円(30万円✕28件)ということになります。

 

この事務所の場合に、例えば、④の1事件あたり平均単価を40万円とすることができれば、

予測売上は1120万円(40万円✕28件)となるため生産性の改善をすることができます。

 

そのため、何度も出てきているこの数字

 ①問い合わせ数

 ②相談件数(相談率)

 ③受任件数(受任率)

 ④1事件あたり平均単価

を分野(交通事故、債務整理、離婚、相続等)ごとに見ていき、

数字が悪いところを改善していくということが大事になります。

 

まずは事務所で、上記の数字を取って、集計していく必要があります。

 

数字の改善方法の具体策で今うちの事務所でやっていることについては、今後ブログに書いていけたらと思っています。