読書をしたり、セミナーに参加したりしても、その内容がなかなか身につかない経験はありませんか?多くの方が「学んだはずなのに、結果が出ない」というもどかしさを感じているのではないでしょうか。
私自身、弁護士として15年間、数多くの書籍を読み、様々なセミナーや勉強会に参加してきました。しかし、その内容を本当に自分のものにできているかというと、正直なところ疑問でした。「なぜ読書しても結果がでないのか」というのは、私にとっても長年の課題だったのです。
そんな中で出会ったのが「アクティブ・リコール」という学習法です。今回は、私が実践して効果を実感しているアクティブ・リコールについてお伝えします。
この記事を読むことで、あなたの学習効率を大幅に改善するヒントが得られるはずです。
アクティブ・リコールとは何か
アクティブ・リコールとは、学んだ内容を能動的に思い出す学習方法です。多くの人が行っている「読む」「聞く」「見る」といった受動的な学習とは異なり、自ら情報を引き出す作業を伴います。
従来の学習方法では、本を読んだりセミナーを聴いたりした後、「なるほど、わかった」と思って満足してしまいがちです。しかし、そのような受動的な学習では、得た情報は短期記憶にとどまり、時間の経過とともに急速に忘れていってしまいます。
一方、アクティブ・リコールでは、学んだ内容について「何も見ずに自分の言葉で説明する」「要点を思い出して整理する」といった能動的な行動を取ります。このプロセスによって、脳は情報を深く処理し、長期記憶として定着させることができるのです。
アクティブ・リコールは特別な道具や環境を必要としません。必要なのは、学んだ後に少しの時間を取って、能動的に情報を引き出す習慣を身につけることだけです。
アクティブ・リコールがなぜ効果的なのかは、記憶のメカニズムに関係しています。私たちの脳は、ただ情報を受け取るだけよりも、その情報を取り出す作業をした方が強固な記憶を形成されるためです。
アクティブ・リコールの実践方法
アクティブ・リコールを実践する具体的な方法をお伝えします。私が特に効果を感じているのは、セミナーや本を読んだ直後に行う「音声入力を活用した振り返り」です。
私は通常、本を読んだり、セミナーや音声コンテンツを聴いたりした後、すぐにスマートフォンの音声入力機能を使って内容を振り返ります。例えば、「この本の第1章では、●●について述べられている。重要なポイントは...」というように、自分の言葉で要点を話すのです。
この方法の良いところは、手軽に始められることです。文字を書く労力がないため、思いついたことをすぐに記録できます。また、話すという行為自体が、脳に強い刺激を与え、記憶の定着を促します。
音声入力をする環境にいない場合は、ノートやPCに要点を書いていきます。
学びを構造化する方法
アクティブ・リコールをさらに効果的にするために重要なのが、学んだ内容を構造化することです。私が実践している方法は、マインドマップの活用による「チャンク化」です。
チャンク化とは、情報を関連性のある小さな塊(チャンク)にまとめることです。人間の脳は、バラバラの情報よりも、関連づけられた情報の方が記憶しやすいという特性があります。例えば、相続法の改正点を覚える場合、「遺留分に関する改正」「配偶者居住権に関する改正」など、テーマごとにグループ化すると記憶に定着しやすくなります。
このチャンク化に役立つのがマインドマップです。マインドマップを使うと、学んだ内容を視覚的に構造化でき、情報間の関連性が一目で分かるようになります。私は音声入力で振り返った内容を元に、後日マインドマップを作成します。中心に主要テーマを置き、そこから枝分かれさせて関連する概念や事例を配置していきます。
もう一つ効果的なのがマインドマップを「問題集」として使うアプローチです。これは、作成したマインドマップのテーマや項目だけを見て、自分への質問形式に変換し、定期的に自問自答する方法です。テーマや項目だけを見て、中身を思いだすことができれば、定着をしているということになります。つまり、マインドマップを問題集のように使うのです。
あとは、学びでシェアできることについてはこのブログのように第三者に公開していくことも有効です。
まとめ
この記事では、「なぜ読書しても身につかないのか」という悩みに対し、「アクティブ・リコール」という学習法を紹介しました。
アクティブ・リコールとは、学んだ内容を能動的に思い出す学習方法です。単に本を読んだりセミナーを聴いたりするだけの受動的な学習と異なり、自ら情報を引き出す作業によって記憶を強化します。
実践方法としては、本やセミナーの内容を音声入力で振り返ること、マインドマップを活用して情報をチャンク化(構造化)することなどです。
セミナーを聴いた後、読書をした後、たった5分でもいいので、学んだ内容を音声入力で振り返る。それをあとからマインドマップで整理する。
このシンプルな習慣が、学びを確実に定着させ、仕事や人生においての大きな力になるはずです。