最近読んだ本です。
企業法務では、大変著名な先生の本です。
参考になることが多く、 隙間時間にちょこちょこ読んでいました。
Amazonの紹介文によると、
『若手弁護士のための所内研修を、わかりやすい話し言葉そのままに書籍化。弁護士として活躍するために知っておくべきノウハウから「仕事の段取り」「営業の仕方」、「やってはいけないこと」など弁護士としての心構えについてまで、惜しみなく紹介。仕事と向き合い直したいすべての弁護士へおくる一冊。』
になります。
僕は、どちらかというと事務所経営や組織論の部分に注目して読みました。
その中で、印象に残った部分を一つだけ紹介します。
それは、事務所内での報酬の分配制度及び経費の分担についてです。
ここの部分で多くの法律事務所がケンカになり分裂しているところで、ここをどうするかということが事務所を大きくしていくためには重要になります。
僕も法律事務所だけではなく、いろんな士業事務所で、ここが問題となって分裂したケースを聞いています。
それについて、著者が述べる解決の方法の一つが『報酬に寛大になること』。
その理由としては、
『報酬の分配はゲームの理論。中でも「繰り返しゲーム」。誰かが強欲になれば、全員が対抗上強欲にならざるを得なくなる。しかし、誰1人強欲にならないと、全員寛容になる。分配の結果は同じである。』
としています。
ここに関しては、すごく納得しました。
弁護士は実力がついてくれば、独立してやっていくこと自体は難しいものではないため、独立するよりも事務所で残ることのメリットがなければ残ってもらうのは難しいと思います。
うちの事務所も個人事務所から組織的な事務所に発展していこうとしている中で、個人事務所の感覚で経営を行うと、組織は大きくなっていかないことを実感します。
組織化に必要なの仕組みの一つが報酬の分配制度ですが、寛容な制度と運用が必要だと述べているのがこの本になります。
事務所の今後の体制をどうしていくかを考えるにあたって、非常に参考になる本でした。