ふくい総合法律事務所 所長ブログ

このブログは、福井県福井市にある法律事務所の所長弁護士である小前田が日々の業務や勉強の中で得た知識や経験をシェアするためのものです。

家計の再建のためには先取り貯金が重要

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私は弁護士として、破産申立や破産管財人等の破産に関わる仕事を普段やっています。

 

日本の法律において、破産という制度が認められているのは、破産者に経済的更生のチャンスを与えるという面があります。そのため、破産をすれば借金を返さなくてもよいということだけではなく、破産者に家計の再建をしてもらうということがより重要だと考えています。

 

そして、家計の再建のためには、『先取り貯金』が重要という話を破産をする方にはよくしています。

とても重要な話なので、同じ人に何回も話をするようにしています。

 

 

先取り貯金のやり方はこの記事がわかりやすいです

zexy.net

 

先取り貯金とは、「給与天引きなどを利用して、文字通り必要な貯蓄分を先に別口座に自動的に移してしまうテクニック」(上記記事から引用)になります。

 

例えば、収入が毎月20万円あるという人が、毎月20万円を使うという生活をしてはいけません。

20万円の収入があったら、その10%の2万円は貯金して、18万円で生活をするということをしていかなければいけないということです。

2万円を貯金する手段としては先取り貯金が有効になります。

 

というのも、人生を生きていると、

冠婚葬祭があったり、病気で働けないときがあったり、車の修理をしたりしなければいけないといった急な出費が必要な場面があったりします。

そうしたときに、何ら貯金がない人は、こうした急な出費に対応することができず、サラ金やカードローンに利用していったりしてしまいます。

 

サラ金やカードローンの金利は恐ろしく高く、借りて返してという自転車操業をしていき借り入れ残高がある程度いってしまうと、利息が高すぎて、返済はもはや不可能なレベルに達してしまうのです。

こういう自転車操業にハマってしまった人を何人も見ていますが、ある程度の金額の借金が溜まってしまうとこのループから抜け出すことはできないのです。

 

なので、先取り貯金をして、貯金を作っておき、急な出費に対応できるようにしておくことが重要なのです。

 

先取り貯金のいいところはある意味強制的に先に貯金をしてしまい、余ったお金で生活をするしかないという点になります。

先の例だと、収入が20万円ある人が、先に2万円先取り貯金をしてしまって、18万円で生活するとなると、生活ができてしまうのです。

逆に20万円で生活していって、お金が余ったら貯金しようと考えていると、全額使ってしまいます。

あったらお金を使ってしまうのが人間の性であり、余ったら貯金しようというのは基本的にできないと考えたほうがよいです。

 

先取り貯金をしておいて、急な出費が何もない月は貯金をしていき、何かあったときは貯金で対応する、このようにしておけばサラ金やカードローンなどを使う必要もなくなってくるので、家計が崩壊するということもなくなってきます。

 

なので、家計の再建のために、依頼者の方などには、何度も先取り貯金の話をさせてもらいますが、それぐらい大事な話だと考えているということです。

 

特に、破産をする方については、破産したことが信用情報が残ってしまうため、破産後長期間に渡って金融機関で借金をすることも出来なくなります。先取り貯金をしておかないと急な出費に対応できなくなってしまいますので、破産する方にとっては特に大事なこととしてお伝えさせてもらっています。