ふくい総合法律事務所 所長ブログ

このブログは、福井県福井市にある法律事務所の所長弁護士である小前田が日々の業務や勉強の中で得た知識や経験をシェアするためのものです。

大阪弁護士会の弁護士の専門分野を検索できるサービス

大阪弁護士会が、弁護士の専門分野を検索できるサービスを提供する予定だというニュースで出ていた。

 

 (弁護士の専門分野 検索可能へ・01月07日・NHK NEWS WEB)

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20190107/0011319.html

 

それだけ、専門性を弁護士に求めると言う相談者のニーズが高いものと思われる。

 

例えば、自分が心臓手術や脳外科手術を受けるにあたっては、その病気について専門であったり権威のあるお医者さんを探す、のと同じだと思う。

弁護士に相談・依頼するというのは、その人にとっては一生に1度あるかないかくらいの一大事なのだ。

大阪弁護士会の制度は、

『当面は弁護士への依頼が多い「労働」、「交通事故」、それに「離婚」や「遺言・相続」の各分野について、指定した研修を3つ以上受講したうえで、訴訟や交渉などの実務経験が3件以上あることを条件に会員の審査を行う』

という制度のようだ。実務経験が3件以上で果たして、「専門」といえるかという声もあるかもしれない。しかし、これは運用を続けていく中で改善していけばいいことだと思う。

専門性を弁護士に求めると言う相談者のニーズを反映させるという意味では、この制度はいいものだと私は考える。

 

弁護士の専門性が進んでいるのが、アメリカである。このニュースを見て、弁護士の専門性に関しては、日本とアメリカで大きな違いをあることを思い出した。

何年か前に、アメリカに、法律事務所の視察に行ったことがある。
アメリカでは、何人もの弁護士から話を聞かせてもらったが、アメリカにおいては自分の専門の分野の仕事しかしないのが普通である。労働分野であれば、労働だけ。離婚分野であれば、離婚だけというように。

その分野だけに特化して、経験を積んだり、人脈を作っていくのがアメリカのスタイルなのだ。

逆に日本の弁護士というのは、特殊な分野以外は、基本的には何でも相談を受けていると弁護士が多いという現状がある。

もちろん、アメリカと日本では、弁護士数、法曹養成の仕組み、文化の違いなどいろんな違いがあり、アメリカのレベルまで日本が行くという事は考えられない。

 

しかし、相談者が、弁護士の専門性を求めているということは間違いがないと思う。

私が相談を受けている際にも、相談者から「先生の専門はなんですかと?」と聞かれる事が多い。


依頼者が専門性を求めているということに関しては不変のニーズとしてあるということを弁護士は意識しておかないといけないと言える。