弁護士の仕事として非常に多いのが、文章書くことである。感覚的には文章書く仕事、書かない仕事の割合が半々と言うイメージである。
訴状・準備書面の作成、様々な連絡文書、報告書、契約書、メールetc。
弁護士が、日常的に作成しなければならない文章と言うのは、非常に多岐にわたる。
放っておくと、作成しないといけない書類というのは、どんどん溜まっていく。
出来ていない仕事というのは、一番のストレスの原因となる。これで、自分自身何度痛い目にあったことかわからない。
そのため、ストレスが少しでも小さい弁護士人生を送るためにも、いかに文章作成を効率的に進めるかということに大事になってくる。
ここで、文章作成において非常に重要なことというのが、「できる限り着手を早めること」である。
それがこのブログにタイトルにもある「着手さえすれば仕事は終わる」ということだ。
このことについては、自分にも常に言い聞かせて、文書を書く仕事においては、着手を極力早めていくようにしている。
着手さえしてしまえば、後は勢いが出て、自然と仕事は終わってしまうものなのである。
着手する前にぐずぐず悩んだり、優先度が低い楽な仕事を先にしてしまうのが人間の性なのである。
着手を早めるために非常に良い方法っていうのが、昨日紹介させてもらった音声による文章作成方法である。
この方法については、野口悠紀雄先生も著書『話すだけで書ける究極の文章法 人工知能が助けてくれる』の中で、
『文章作成で難しいのはスタ ートすること文章を書くために最も重要なのは 、 「とにかく書き始める 」ことです 。ところが 、スタ ートさせるのは 、容易なことではありません 。書き始めようとしても 、非常に大きな慣性が働くのです 。ニュ ートンの慣性の法則は 、 「止まっている物体を動かすには 、力が必要 」と言っていますが 、それと同じことです 。しかし 、音声入力を用いると 、この関門を突破することができます 。』
と述べている。
それくらい、音声入力を用いると文章作成の一番の難所である「着手」が早くなる。
そこで、私が最近やっているのは、準備書面の作成のアイデア出しを、裁判の期日が終わって段階でやってしまうことだ。
裁判の期日で、準備書面の宿題をもらったときに、事務所に戻ってしまうと別の仕事に取り掛かってしまう。そうなると、もともとの準備書面の作成の仕事に着手するのが遅くなってしまう。なんやかんやと忙しい時期になると、その仕事に着手するのが、下手すると何日も後となってしまう。
そこで、とにかく事務所に戻る前に、音声入力でメモ程度のもので構わないので、アイデアベースの準備書面を作成してしまうのだ。裁判の期日の直後であれば、記録の読み込みも出来ている状態であるので、アイデアも出てきやすい。
もちろん、関係者への聞き取りや、判例や文献等の調査の結果、最初に書いたものの方向性が大きく変わることもある。しかし、それも最初にアイデアを出しているからこそ、その後の仕事で必要なことがわかることが多く、その後の書面作成においても割と順調に仕事が進んでいく。
昨日のブログでも書いたが、とにかく音声入力で、文章作成の最初の壁を乗り越えることができる。
着手さえしてしまえば、仕事は終わるのであるから。